56年間一人でカテドラルを作り続けている91歳のスペイン人男性
スペインの首都マドリッドの郊外にあるメホラダ・デル・カンポ(Mejorada del Cammpo)という町で、ある大聖堂の建築が進められています。
「Nuestra Señora del Pilar」という名がつけられたこの大聖堂。実は現在91歳になる男性が56年前からほぼ一人で建築を続けているというから驚きです。
もともとトラピスト(カトリック)の修道士だったフスト・ガジェーゴ・マルティネスさん、通称ドン・フスト(Don Justo)は、56年前の1961年、結核を発症した時にこの大聖堂を建てようと決心したそうです。
病気のために当時住んでいた修道院を追放されてしまった彼は、信仰の対象となる大聖堂を自分で作ってしまおうと考えました。
彼は聖母ピラールに生き続けることを誓い、人生をかけた大掛かりなプロジェクトをスタートさせました。
そのため「我らが聖母ピラール」という意味の「Nuestra Señora del Pilar」が大聖堂の名称となったわけです。
驚くべきことは、ドン・フストは建築に関してまったくの素人で必要な知識もなかったということ。
彼はまず、両親から継承した7,300㎡以上の広大な土地を平坦にすることから始めました。
そこでおおよその間取りを行い、その後は書籍や建築関連の雑誌に掲載された写真などからインスピレーションを得て聖堂のレイアウト、デザインを決めていったということです。
随所に彼のオリジナリティも見え隠れします。
例えば建物の柱となる部分にドラム缶を活用するなど、リサイクル品なども資材として建てていきました。
材料は主に地元の建設会社から寄贈されたリサイクル材料と余剰品を使用しているそうです。
いつしか病気も克服し、時が経つこと56年。
今もなお建築中の大聖堂の中で忙しそうに動き回るドン・フストの様子を見ることができます。
ドン・フストは生きてるうちに完成しないことは自分でも分かっています。
しかし、信仰によって突き動かされ、作業を止めることなく日々を過ごし、90歳を超えてもなお精力的に建築を進めています。
そして自分が死んだらこのカテドラルに埋葬してほしいと願っています。
The Lone Man Building a Cathedral By Hand
参照元・出典:
91-Year-Old Man Spends 56 Years Building His Own Cathedral From Scratch / mymodernmet
The Spanish monk who built his own cathedral from scrap / CNN
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