脳性麻痺の弟と一緒に。トライアスロンをゴールしたある双子兄弟の実話
先日の日曜日(2014年8月24日)、デンマークのコペンハーゲンで開催されたトライアスロンに、スティーンとぺダー(Steen, Peder Mondrup)という双子の兄弟が出場しました。
ぺダーは生まれて間もない頃に脳性麻痺に陥り、現在もなお車椅子の生活を余儀なくされています。
スティーンはそんな彼を連れてこの過酷なレースに参加し、15時間32分という時間をかけて二人で無事にゴールを果たすのでした。
彼らが二人で出場することになった経緯を見てみましょう。
双子の兄弟は1980年初頭に未熟児で生まれました。
生後3カ月の時点で、それぞれ1.2kgに満たないくらいの体重でした。
ぺダーは出生時の酸素不足が原因で脳性麻痺を患い、一生を車椅子で送ることになってしまいます。
障害と対峙しつつ自らの意思を持って生きて来たぺダーさん。
彼は現在、障害者のための組織やクラブなどに属してスポークスマンとして働くようになりました。
一方、健康に育ったスティーンさんは陸上競技に興味を抱き、様々な大会に出場するスポーツマンに。
昨年(2013年)、スティーンさんは、弟と一緒にハーフマラソンに参加することを思いつきます。
「クレイジーだ」とペダーさんが訝ったものの、見事2時間16分という好タイムでゴールを達成。
それは今回のトライアスロン出場へのきっかけともなりました。
彼らは「Team Tvilling」を結成し、多くの賛同者の協力を得て、出場への準備と情報の発信を行ってきました。
(Tvillingはデンマーク語で双子の意味)
そして大会当日。
カヌーを引っ張りながら3.8kmを泳ぎ、特製の自転車で180kmを走破し、車椅子を押しながらフルマラソンを完走。
ただでさえ困難と言われるトライアスロンを二人で見事にフィニッシュ。
その結果は多くの人に感動を与えています。
いつもは「車椅子に乗ってる誰かさん」くらいに感じていたけど、僕は初めて「人」として参加できたと感じたよ。
そう語るぺダーさん。
スティーンさんは自分たちのWEBサイトでこのように述べています。
僕には足があり、ぺダーには頭脳がある。それは固い意志を持ったランナーにとって完璧な組み合わせです。
姿かたちは違えど、心は一つ。
兄弟の絆がガッチリと結ばれていたからこそ成し得たことなのかもしれませんね。
KMD IM COP RACE 14
参照元:Twins run to history at Ironman Copenhagen
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