話題の氷水かぶりに挑戦…つらい現実に立ち向かうある男性の切実な願い
筋萎縮性側索硬化症(ALS)という難病に対して寄付を呼び掛ける目的で始まった「アイスバケツチャレンジ」。
動画で指名された人は24時間以内に氷水をかぶるか、ALS協会に100ドルを寄付しばければいけません。
このキャンペーンはSNSを通じて世界中へ広がり、著名なセレブたちの心も動かし、集まった募金額は1300万ドル以上(8/17日現在)にも上ります。さらにその勢いはまだまだ続きそうです。
しかし一方で、「売名行為だ」「募金だけすればいいだろ」「自己陶酔にすぎない」など批判的な意見を持つ人も。
そんな中、この流行を逃すまいとアイスバケツにチャレンジした男性がいます。
彼の名はアンソニー・カルバハル(Anthony Carbajal)。
米カリフォルニア州に住む26歳のフォトグラファーです。
「Kiss my ALS」と書かれたパンツとビキニをまとい、セクシー女性さながらに車を洗車するシーンで始まる動画をYouTubeにアップした彼。
まるでキャンペーン批判する人を挑発するかのような映像です。
そしてお決まりのアイスバケツにチャレンジ。
これで動画が終われば、「見て損した」と思うことでしょう。
しかし注目して頂きたいのは、その後に続く映像。
カメラに向かって、彼はなぜこんなクレイジーな動画をアップしたのか説明し始めます。
「OK。僕の人生の中で一番恥ずかしいことだったよ。」
ところが話し始めて間もないうちに顔を覆い涙を流すカルバハルさん。
その涙には大きな理由があったのです。
実は彼の祖母は実際にALSによって命を奪われ、母親もALSにかかって10年以上病気と闘っていたのでした。
さらに、カルバハルさん自身も数ヶ月前にALSと診断され、徐々に筋力が衰え、今現在も腕や肩などに痛みをともなうようになって来たといいます。
動画の途中で母親を介護するシーンが映されます。
それに対してカルバハルさんは
「誰もALSで死にそうになっている人なんか見たくないし、話題にもしたくない。そんなことで一日を台無しにしたくないよね。だけど、この病気の治療法を探すため議論を止めてはいけないんだ。」
と語ります。
彼は母親の介護をしつつ、この現実に立ち向かうためクラウドファウンディングに登録したり、援助を求める動画を撮影したり、出来る限りのことをやってきました。
そんな彼にとって、社会現象ともなったアイスバケツチャレンジは願ってもいないことでした。
「これらの動画一つ一つが僕に感じさせてくれたことは、あなた方にはピンと来ないでしょう。それは僕やALS患者すべての精神を高揚させてくれた。こんなことは本当に今までなかったことなんです。我々は本当に、本当に感謝しています。」
半分ジョークのつもりで氷水をかぶった人もいることでしょう。
しかしそれらの行為一つ一つがALSに立ち向かう全ての人の心に響いていることは確かです。
カルバハルさんはこの感謝の気持ちとALSという病気の現実を多くの人に伝えるため、あえてバイラルを狙ってクレイジーを装い自らアイスバケツチャレンジを行ったのでしょう。
もしあなたが氷水をかぶる番になったら、この動画を見返してみてください。
(途中までじゃなくてもちろん最後まで!)
ALS ICE BUCKET CHALLENGE – UNCENSORED & SEXY?
母親の介護シーンの元となった動画
自分もALSだと診断された後、友人に撮影してもらったという映像です。
↓
Inevitable
参照元:HUFF POST IMPACT、Anthony Carbajal PHOTOGRAPHY
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