死亡事故も多発。危険な列車サーフィンを繰り返す南アフリカの若者たち
南アフリカ最大の黒人居住区カトレホン(Katlehong)では、走る列車の屋根に上ったり、側面から身を乗り出したりする危険な「列車サーフィン」が流行しており、死亡事故も発生するなど社会問題にもなっています。
ローカルスラングで「スタッフ・ライディング(Staff Riding)」と呼ばれるこの危険行為は主にカトレホンの25歳未満の若者たちの間で広まっています。
イタリアのマルチメディア・フォトグラファー、マルコ・カジーノ(Marco Casino)さんは、スタッフ・ライディングを続けるカトレホンの若者たちを取材し、ドキュメンタリー映像を制作しました。
アパルトヘイト撤廃から約20年が経過した今もなお貧困が収まらず、暴力事件や虐待、エイズなどがはびこり、現実逃避のために若者たちはアルコールや薬物へ走ってしまいます。
死の恐れがある列車サーフィンに夢中になるのはそういった現実逃避の一つの手段なのかもしれません。
中には列車から落ちて体を切断する事故にあったり、電線に触れて感電死する若者います。
映像の中で若者の一人はこう語っています。
「これは自殺行為なのかもしれない。だけど、俺らに言わせてみればスポーツみたいなもの。感情を表現するための手段なんだよ。」
死ぬことが怖くないのか?という問いには次のように答えています。
「死ぬこと自体は怖くない。怖いのはどんなふうに死んでいくのかだ。」
社会への不満や生活の不安など、やり場のない心の闇を抱く南アフリカの若者たち。死に結びつく危険な遊びを通してそれらを発散しようとしているようにも見えます。
STAFF RIDING SUB ENG
参照元:MARCO CASINO “STAFF RIDING"
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