今もなおカンボジアの大地に潜む地雷を自分の手で撤去し続ける男のストーリー
1970~1980年代の起こったカンボジア内戦で数多くの地雷が埋められ、内戦が終結して月日の経った今もなお、無数の地雷がそのままの状態になっていると言われています。
悲劇的な自国民大虐殺を引き起こしたクメールルージュにかつて所属し、命令に従って多くの地雷を埋めたという過去を持つ男がいます。
彼の名はアキ・ラー(Aki Ra)
1973年くらいに生まれた彼は、幼い頃にクメールルージュにより両親を殺されてしまいます。しかしそのまま成すすべもなくクメールルージュの兵士として生きることになりました。
そして善悪の区別が付けられなかった彼は、命令に従うままに数えきれないくらいの地雷を埋めたのでした。
ところがこの地雷により多くの人たちが手足を失ったり亡くなったりしているのを目の当たりにし、考えを改めます。
やがてクメールルージュから脱走し、大人となった彼は過去に自分がやって来たことの償いと、元々は穏やかな国であるカンボジアに平和をもたらすために、自らの手で無償で地雷撤去を行うことを決意します。
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内戦が終結し、90年代後半、アンコールワット近辺に「地雷博物館」をオープン。訪れる人々に地雷問題を理解してもらえるよう努力を重ねて来ました。
現在はアンコールワットの北にあるバンテアイ・スレイ遺跡へ通じる道の途中に場所を移し、「The Cambodia Landmine Museum And School」として運営され、活動を続けています。
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アキ・ラー氏が地雷の撤去を行っている様子を映したビデオも見ることができます。地雷埋没地帯へと足を踏み入れ地雷を見つけると、工具やナイフあるいは素手で地雷を解体していきます。
その作業は非常に危険で、まさに命をかけた作業を長年続けていることになります。
Trent Harris FLINGADING 8
死の危険を顧みず、これまで自分が埋めた以上の地雷を撤去してきました。
その功績が評価され、2010年のCNN Heroesに選ばれたりもしています。
Aki Ra 2010 CNN Heroes
いつかカンボジアの大地から地雷が完全に無くなる日まで。
彼は活動を続け、地雷について世界に理解してもらうため発信し続けて行くことでしょう。
参照元:
CNN “Cambodian man clears land mines he set decades ago"
Wikipedia “アキ・ラー"
The Cambodia Landmine Museum And School
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