広い校庭がないから高速道路で体育を行うことに決めた小学校(中国・貴州省)
中国のとある小学校の生徒たちが、なぜか高速道路で短距離走を行っています。
危ないし排気ガスがいっぱいで健康にもよくないのに、こんな場所で体育の授業が行われるのにはワケがありました。
中国・貴州省貴陽市にある、生徒数500人ほどのこの小学校には元々小さな校庭がありました。しかし大勢の生徒たちが体育の授業を受けられるほどの広さではありませんでした。
しかし体育で行うべき体力テストを必ず実施しなければならないという法律があり、実施できなかった場合は学校の閉鎖に追い込まれると言う現実に直面していました。
教師たちは悩んだ挙句、近くの高速道路の緊急車両ゾーンを利用することを提案。
他に選択肢がなく、結果的に体育の授業がこの危険な場所で行われることになったというわけです。
道路が混雑する時間帯を避けるのはもちろん、教師が必ず緊急車両ゾーンの端に立って車のドライバーに注意を促すなどの対策は取っているようです。
生徒は大半が農村の出稼ぎ労働者の子供たちで、ほとんどが貧しい家庭のため学校側も満足な資金を得ることができません。そのため新たな校庭のスペースを確保することさえできないようです。
そういう場合って国や自治体などが資金を援助して対策が取られると思いますが、中国の地方部ではそうもいかないようです。
小学校の校長はこう語っています。
「この場所がとても危険で排気ガスも健康に良くないことは承知しています。だけど他の場所を選ぶ余地がないのです。」
場所がないからって高速道路で体育をやっちゃうのもどうかと思いますが、授業を行わないと学校を閉鎖するぞ、という法律があるのに対策をとらない国や自治体もどうかしてると思います。
もし法律に従えずに学校が閉鎖された場合は子供たちはどうなるんでしょう?
中国地方部の憂うべき現実が見え隠れするニュースでした。
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