入れ歯の調整、麻酔、抜歯など・・・。不衛生な路上で歯科治療を行うインド人
インドのジャイプールに路上で歯科医院を営んでいる2人のおじさんがいます。
衛生的とは言いがたい路上にシートを敷いて、年季の入った道具箱を開け、次々と治療器具を取り出しては丁寧に並べていきます。そして「Dentist(歯医者)」と書かれたボードを掲げ、客待ちをします。
並べられた入れ歯のサンプルにはハエがたかっていますが、特に気にしていない様子です。
2人組の路上歯医者はこう語ります。
「金持ちの歯医者と我々貧乏人の違いは、施術用の立派な椅子やレントゲンやその他の医療器具があるかないかだ。治療には金がかかる。一般の貧しい人たちには無理な話だろ。」
「この仕事が難しいなんて思わなかった。なぜなら自分は技術的な仕事には慣れてるから。自転車だって直した事があるよ。ヤスリやペンチなど、使い方は分かってる。うちは他の歯医者がやるより早くやるよ。」
やがて一人の客が訪れました。
歯が抜け落ちた部分に差し歯をしてほしいとのことです。
路上の歯医者は特に消毒などすることなく差し歯をヤスリで磨いたりして客の歯にフィットするように調整します。
施術を受けた客は「食べる時大変だったんだ。だけどこれで大丈夫。おかげで良くなったよ。」
次なる客は虫歯の女性。
痛くて歯を抜いてほしいとの依頼です。
さすがにそのまま引っこ抜くなんてことはせず、ちゃんと麻酔を打ちます。
ハエがたかった麻酔液を注射器で吸入し、すかさず女性の歯茎へ注射。
その後、ペンチを握って力いっぱい歯を引っこ抜きます。
女性は悲鳴をあげつつも我慢。
ようやく抜けた歯は路上へポイッ!
これにもハエがたかります。
女性は痛みで朦朧としていますが、目を覚まさせるヘッドマッサージも歯医者の仕事。
先ほどの怪しい色合いの消毒液でうがいをさせて施術終了。
この路上歯医者さん、歯科治療を行う上で、しっかりとした主義も持っているようです。
「歯の治療をすることでみんなハッピーなれるよね。お客さんに喜んでもらいながらお金ももらえるのでわしもハッピーだよ。だけどもしお客さんがハッピーでなければ、わしもお金をもらいたくない。それがわしの主義だ。」
“The Dentist Of Jaipur" // a documentary shortfilm by Falk Peplinski
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